私が二十代半ばの頃、どうしても買いたい車がありました。2シーターのオープンカーに一目惚れしてしまったのです。価格は約300万円。私の給料ではなかなか貯まる金額ではありません。両親に相談したところ「いまの車で我慢して、貯まってから現金で買えばいい」とのアドバイスでした。
しかし、目的はあってもなかなかその金額を貯めるのは大変です。今すぐにでも欲しかった私は、両親に泣きつきなんとか150万円を調達。残りの150万円をローン返済で購入することを決めました。毎月3万円、ボーナス月には10万円以上の返済に追われましたので、友達との外食の回数を減らしたり洋服を買うのを我慢したりと窮屈な生活を続けました。
それでもなんとか自力で完済したときの達成感と開放感は想像以上に大きかったです。そして思ったことがありました。ローンで購入したからこそ、この車は自分のものになったのだ、と…。150万円を貯めるために何年も頑張れたと言えば、多分無理だったと思います。若い独身者でしたから、アレが欲しいコレも欲しいと色々なものに手を出して、まとまった金額を貯金できなかったでしょう。
できることなら現金払いしたいところですが、ローン支払いだからこそ気合いを入れて購入できるものもあるのだなと学習しました。